冷却CCDカメラ SBIG STL-11000M
冷却CCDカメラは、その名前の通り撮像素子のCCDチップを冷却して撮像する天体写真専用のカメラです。長時間露光によるノイズを極力抑えるため冷却しますが、このSTL-11000Mの場合、外気温ー40℃まで冷やすことができます。
また、天体写真専用に設計されているので、フィルターワークなどの多彩な撮影が楽しめます。
デメリットとしては、天体写真専用なので他の撮影には使えないこと。 また、すべての作業はパソコンから行い、外部電力を必要とするなど、仕掛けが大掛かりになることが挙げられます。また、デジタル一眼に比べ高価なのも欠点です。
しかし、とっつきにくい冷却CCDカメラですが、 特にモノクロタイプのCCDチップが使われた機種は、究極の天体写真を目指すマニアに人気があります。デジタル一眼がベイヤー配列であることを換算すると、冷却CCDカメラの画素数は仕様の3~4倍に相当します。また、ビット数もデジタル一眼の14ビットに対し16ビットと、階調幅が広いことも天体写真に有利です。さらにデジタル一眼に比べはるかにモデルチェンジの期間が長いので、長く愛用することができます。
SBIG 冷却CCDカメラ STL-11000M class2
画素数 4008×2672画素 36㎜×24㎜
ピクセルサイズ 9μm×9μm/画素
記録ビット数 16bit
アンチブルーミング(ABG) 有
大きさ 概ね 16cm×19cm×14cm(突起物を含む)
重量 2.2kg(フィルター含る)
STL-11000Mを使用しての感想を書きます。USB1.1での転送のためダウンロードとポスティングが終わり、次の露光開始まで90秒近くかかります(最新機種はUSB2.0に改善)。しかし、多少の不便があっても世界で愛用されているのは、セルフガイド機能が搭載されていることだと思っています。ガイド鏡システムが不要になるのはシステム全体をシンプルにできる上、撮影CCDとガイドCCDが完全同期している安心感は大きいものがあります。
写真右は、PENTAX 105SDP鏡筒に接続しています。赤い登山ロープは落下防止(実績あり)、半透明のチューブは乾燥空気の送出、黒コードはファインダーのヒーターです。
STL-11000Mを開いた様子が左写真です。黒いシャッター羽とCCD窓が見えます。5枚のフィルター、現在はSBIGのRGBフィルターを使用しています。開いた本体の上にあるのが、実践では未だ使用していないシンチレーションを補正するAO-L。フィルターワークとともに今後の課題です。(2017/08)
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